素敵じゃないか
明け方、ここ最近読んでいた川上未映子の夏物語を読み終えた。
久しぶりに小説を読んだ。
きっかけは岸井ゆきののエッセイを読んだこと。
好きなひとの好きなものを漁る受け売り集合体人間なので、エッセイを読み終わった直後に買った。我が家の積読の数はものすごい量であるのに。
岸井ゆきのは合間で読む本ではないと言っていたし、本の帯では村上春樹が最後に向かうところが僕はなにより好きだと言っていたし、読書家の友人は去年読んだ本の中の上位にいると言っていた。ので必然的に楽しみにしていて、時間をとって読もうと決めていた。
一部を読んでいるときは小休止を挟んでちまちまと読んでいたけれど、二部に入って文体のテンポの良さに引き付けられてこの数日間でほとんどを読んだ。
生む生まないを主軸とする物語は初めて読んだ気がする。
このテンポの良さに惹かれて読んだが、何を考えて読んでいただろうと振り返る。
テンポの良さってどこから来てるのか。
歯切れのよい会話、関西弁、その場その場の空気の比喩表現。空気だけでなく人がどんな状態であるかを丁寧に描写しているから、生々しく登場人物の息遣いが感じられること。
子をなす願望が無い私も子を欲しいと思うときが来るのだろうかとか、でもそれ以前に恋愛をしたいのだが、、みたいなこと。
この作品では男性を嫌悪する登場人物が過半数だった。
未だに恋に恋をする私は、言っている意味を理解はできるが、そこまでの汚さ・醜さに直面したことがないため共感して読んでいたかと言われると否だった。
対比として登場人物の思想が極端に分かれてくる部分は結構好きだったな。
友人に読んだよの自己満足報告をしたら、乳と卵が前身として存在すること、
川上弘美の選評が好きだという話をしてくれて、この作品は選評に対するアンサーでもあるのかと思った。近いうちに読みたい。
あと十年たった緑子がどうなっているのか、たいそう興味をひかれる。病んでいるのに、不思議にすこやかな印象がある。
夏物語で出てきた作品たち。
素敵じゃないかのメロディは知っていたのに、曲名とグループ名は知らなかった。
なぜか私にとってこの曲はクリスマスを彷彿とさせる。なんでだろう。
電飾とクリスマスチキンが似合う曲。私だけかも。
中学生の頃に観た「陽だまりの彼女」にもかかっていた模様。観たはずなのに記憶がない。
今週末、川上未映子のトークが聴けるとのことで、TAMA映画祭に足を運ぶことにした。アンダーグラウンドも観に行くので映画ウィーク。
それまでにアイスクリーム熱とユーゴスラヴィア史を少しでも予習せねばなるまい。
今日はここまで。